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必須機能!ジオフェンシング(GeoFencing)とは?

ジオフェンシング(GeoFencing)

ジオフェンシング(GeoFencing)とは?

ジオフェンシングとは、位置情報を使ったアプリケーションに見られる仕組みの一つです。特定のエリアに仮想的な境界(ジオフェンス)を設け、人やモノが境界内に出入りする時に特定のアクションを実行する仕組みです。

例えば、子供の見守りシステムは、子供に追跡デバイスを持たせておき、ジオフェンスで囲った「学校」から子供が出た時に保護者にアラートを送信します。
ジオフェンシング(GeoFencing)

※青い丸が半径1㎞のジオフェンスです。
シーネットがIoT化を進める物流業界では、倉庫や納品先をジオフェンスで囲い、以下のような事に使われています。

 1.車両管理
 2.配送の予実管理
 3.着荷確認
 4.商品や物流機器のアセットトラッキング

カゴ車Locatorのジオフェンシング活用事例

カゴ車locaTorは、パレットやカゴ車のような物流什器の位置を補足するだけでなく、 ジオフェンシングを活用する事で対象物の滞留と紛失を検知しています。複雑な物流網では、物流什器は無くなりやすく、納品先から本来返って来るはずの機材がどこかで紛失したり滞留してしまう事が頻発しています。この課題解決の為にカゴ車locaTorはジオフェンシング機能で物流機器の動向を モニターしています。

カゴ車locaTorの使い方はシンプルです。物流倉庫や納品先をジオフェンスで囲み、 ジオフェンス内に一定期間以上モノが留まると「滞留」と判定し、 ジオフェンス外に出たまま戻ってこない状態を「紛失」と判定します。 紛失/滞留判定以外にも登録場所毎の在庫数や滞留発生回数などを事実に基づいて管理ができます。
本日の記事では「カゴ車locaTor」の活用事例を簡単にまとめました。

CASE1:食品卸企業

追跡対象:カゴ車
カゴ車locaTor
カゴ車は数が多く、滞留/紛失している数が最も多い物流什器の一つです。その数の多さが管理を難しくしており、 多くの企業が立ち入る物流センターでは、他社による持ち出しも起きています。もともと数の管理がされていないカゴ車は年末などの繁忙期に足りなくなり、その場しのぎのレンタルや納品先に回収に回るなどしてコストと時間がかかっています。 今回紹介するケースは関東圏のスーパーマーケット40拠点に商品をカゴ車にて納品する食品卸企業様です。 商品を載せたカゴ車ごと納品し後日返却されますが、返って来ない事が頻発していたため、カゴ車locaTorを導入しました。納品先であるスーパーをジオフェンスで囲い、それぞれの店舗での滞留を検知しています。カゴ車が物流センター内や、スーパーで10日以上留まっていた場合にアラートを発生させる事で、滞留と紛失を事前に回避しています。

CASE2:調味料メーカー

追跡対象:液体コンテナ
カゴ車locaTor
製造拠点で作られた調味料を液体コンテナ(1000ℓ)に入れて全国の食品加工工場等に納品しています。使い終わっ たコンテナは返却されますが、中には返すのが遅いお客様や返却過程でコンテナの行方が分からなくなる事態が発生していました。3か所の自社拠点をジオフェンスで囲んでおり、出荷から数十日返ってきていないと通知アラートを出します。

お客様が調味料を使い切るまで長い場合は数カ月かかり、顧客ごとに消費スパンが異なるため、滞留判定日数 は100日に設定しました。100日返ってきていないコンテナは、お客様の返却忘れや物流センターで滞留している事が疑わ れます。このジオフェンスを利用した日数カウントにより、副次的に納品先毎の調味料の消費速度も測れるようになり、営業 の面でも役に立つことが判明しました。

CASE3:重機レンタル会社

追跡対象:重機
カゴ車locaTor
クレーンなどの重機をレンタルしている企業です。拠点毎の重機保有台数は帳簿上でしか把握して おらず、1年に1度行う棚卸では、重機の紛失が発覚し、従業員が広い駐車場を闇雲に探し回る作業が発生していました。

カゴ車locaTorを導入し、自社駐車場をジオフェンスで囲む事により、貸出中の重機の所在を確認できる事に加えて、自社 駐車場に存在する重機の車両管理も簡単にできるようになりました。滞留判定日数は50日に設定されており、稼働率の低い重機の把握もしています。日本各地の拠点をジオフェンスで囲む事で、拠点毎の在庫が自動で更新されるため従業員による重機の在庫確認が無くなり、作業工数が大幅に改善されました。

アセットトラッキングには欠かせないジオフェンシング

カゴ車locaTorのようなアセットトラッキングシステムにおいて、ジオフェンスは極めて重要な機能です。 物流什器の立ち回り先をジオフェンスで囲む事で、場所毎のカゴ車数の見える化、滞留率の把握、全体の回転率や 傾向が見えるようになります。これまでの技術では拠点毎に何らかの機器を設置する必要がありましたが、 カゴ車locaTorの仕組みではクラウドシステム上に管理すべき場所を設定するだけで管理できます。

また、今までは物流網からはみ出た物流機器には、気付く事も対策を打つ事も出来ませんでしたが、 ジオフェンス機能により、日本国内どこでも持ち出した企業や紛失場所の特定が出来るようになりました。 弊社カゴ車locaTorアプリケーションでは、ジオフェンスを活用し拠点毎の滞留率などを算出し、 全体のカゴ車の有効活用ができるだけでなく、営業面でも有益な情報を提供することができます。 様々な業種業態の物流管理のツールとして今後の利用が期待できます。
カゴ車locaTor

カゴ車ロケーターのダッシュボード機能

カゴ車ロケーターのダッシュボード機能

ダッシュボード機能について

モノの移動情報から見えてくるデータを一目で確認できるダッシュボード機能がカゴ車ロケーターには標準で搭載されています。 ダッシュボードでは、飛行機のコックピットのように複数のメーターや数値の表示で直感的に問題点が把握できるようになっています。 表示項目はユーザー様のご要望に沿って増える予定です。今回は重要な3つの機能をご紹介します。

平均滞在日数

物流センターや納品先店舗などに物流什器が留まった平均日数です。ダッシュボード上でランキング表示する事により、滞留が発生しがちな拠点が明確に見えるようになります。

滞留発生回数

アラート設定した日数以上物流什器が滞留した場合に通知が出ます。この機能では、滞留が発生した回数をカウントし、発生場所をランキング表示します。 滞留が多く発生する拠点を可視化し、ピンポイントで対策を取ることが可能です。平均滞留日数が多く、発生回数も多い拠点については至急現場運用の見直しが必要です。

アラートログ

物流什器のステータスが紛失、滞留に変わった場合、什器の詳細と地図をリスト表示します。 このリストを確認する事で、異常が発生した什器の移動経緯、 他の什器の状況なども確認し、異常が発生した拠点、関連する部門の問題解決に取り掛かる事ができます。 

位置測位データの活用

「カゴ車ロケーター」は物流什器の利用効率改善のツールを目指しています。日々の膨大な位置測位データを解析する事で、物流什器の移動傾向や問題発生リスクを具体的に見える化します。 滞留発生が多い物流センターのランキング化や紛失発生場所の記録など、今まで見えていなかった事象の可視化はもちろんですが定量化できるのが大きなポイントです。今後も、お客様の見たいデータを見やすい形で表示することをダッシュボード機能では追求していきます。

物流什器はなぜ紛失する?

物流什器のIoT

物流什器はなぜ無くなるのか?

物流什器は兎に角、数が多いです。物流センターや倉庫には数百数千という単位の物流機器があり、さらに物流機器は一か所に留まる事無く日々複数の拠点を移動しています。拠点間に中継場所があったり、荷物を積みかえたりと個々の管理が難しく紛失してしまうことも想像が付くかと思います。 物流機器が無くなる理由は、大きく分けて3つあります。

 [紛失]・・・通常行き来する物流網以外の場所に行ってしまう
 [滞留]・・・一拠点に長期間留まり本来の移動用機器としての役目を果たさない
 [破損]・・・経年劣化や取り扱い不注意による破損

紛失の理由

第3者による持ち出し

複数の物流業者が出入りする物流拠点では、所有者の違う機材が混ざっている事が多く、他の業者が間違えて持って帰ってしまう事があります。 持ち帰った拠点からまた別の拠点に持ち出されてしまうと行き先を追求することは不可能なため100%紛失します。

転売

個体管理がされてないが故に、物流機器を持ち帰る事は容易です。残念ながら悪意を持って意図的に持ち帰り、スクラップ屋に転売する事例も少なからずあります。複数の業者が自由に出入りする物流拠点では、関係者以外でも容易に持ち出せてしまう環境にあり、そういった場所では証拠はないものの紛失が多いという事実を関係者はみな知っているケースもあります。

滞留の理由

返却/回収忘れ

納品時に使われたカゴ車が店舗や納品先に回収待ちの状態で長い間溜まってしまうことがあります。また容器ごと商品を納品し、次の納品時に容器を回収するケースでは次回の売り上げがなくなると回収自体忘れ去られてしまう事もあります。

転用

カゴ車などは棚や物置としても使いやすく、本来納品後は返却するはずが固定の棚として転用されてしまうこともよくある話です。

破損の理由

経年劣化

常にスピードが求められる物流現場では、物流機器どうしの接触は常に発生します。部品が欠けるなどし、廃棄処分になるカゴ車は毎年一定数発生します。

取り扱いの不注意

商品の運搬中は丁寧な扱いをしても、商品が載っていない物流什器はぞんざいに扱われがちです。消耗品としての意識が強い事が取り扱いの不注意に繋がっている事も事実です。

今までの紛失抑止への取り組み

「紛失」「滞留」「破損」の3つをあげましたが、物流機器が無くなってしまう事は昔から課題となっており、今までの対応策をいくつかご紹介します。

アナログな取り組み

 ・会社のテーマカラーなど物流機材の色を統一する。
 ・「持出禁止」などのステッカーを張る。
 ・空のカゴ車はまとめてチェーンでくくり、カギをかける。

ステッカー貼付や色を塗るなど目で見て分かるこのような対策は紛失抑止には役立っていますが、紛失がなくなることはありません。また、実際にどれだけの抑止力に繋がるのかを確認する事が出来ないのが課題となります。

デジタルな取り組み

 ・RFIDタグを取り付ける
 ・GPS端末を取り付ける

RFIDタグは、拠点毎にタグの読取作業や設備が必要となるため、想定外の場所へ行った際には管理不能となります。取り付けるだけで位置情報を検知するGPS端末は、バッテリー寿命に問題がありました。動きが予想できない物流機器に取り付けたが最後、バッテリー切れによって機材とデバイスごと無くなってしまうケースも少なくありません。読み取り設備の導入コストや、通信費なども導入のハードルとなり、全面的な普及には繋がっていません。

IoT時代、ついに実現する物流機器管理

今までの物流業界全体を見ると未だ物流機器が無くなる事への解決策は出てきていません。その一番の理由は、コスト面です。物流課題としての最優先事項は商品の管理であって、物流機器の管理は二の次となりがちです。数百、数千単位の物流什器をお金と手間を掛けずに管理をする事の必要性は認識しているものの現実には出来ませんでした。

しかし、これからのIoT時代の新しい技術により今まで不可能と思われていた電池の問題や通信費用の課題が無くなり、安く簡単に管理ができるようになってきました。カゴ車、パレット、コンテナは日常生活でも目にする事が多いと思います。物流什器の追跡/管理に特化したシーネットのソリューション「カゴ車locaTor」は、物流什器の動きを可視化し、物流課題解決の手助けをします。是非チェックしてみてください。

GPSが取れない場合はどうする?

物流IoTにおけるGPS

GPSとは?

GPSは、人工衛星を利用した位置測位システムです。スマートフォンやカーナビなどもGPSを利用しています。人工衛星からの電波を補足して、高い精度で位置測位が可能です。

GPSは人工衛星を見通せる屋外でのみ利用可能ですがスマホやカーナビは屋内、地下鉄、トンネル内でも位置測位ができます。これらはGPS以外にモバイル基地局やWi-Fiを利用したり、加速度センサーなど他の技術を併用しGPSの電波が届かない場所でも正確な位置測位を可能としています。

GPS利用時の確認ポイント

GPS搭載の物流向けIoTデバイスは荷物の追跡などに使われていますが、GPSでうまく位置測位できないケースがあります。GPS測位についていくつかの注意ポイントを挙げます。

デバイスの設置方法

GPS機器の推奨取り付け位置はデバイス内に取り付けてあるGPSアンテナの向きなどによって様々です。取り付ける位置や角度によっても受信感度に違いが出ますので、デバイス毎のベストな取り付け方を確認する必要があります。 また、雨除けの用の保護ケースなどを使う場合も、通信環境を低下させないようケースの材質や機器の取付方法を調整する必要があります。

屋内では位置測位出来ない

屋内では人工衛星からの電波が天井や壁に遮断されてしまっている為、GPSによる測位はできません。窓際などで衛星を見通せる場合は屋内でも位置測位できる場合があります。

障害物に弱い

屋内と同様、トンネル、ビルなどが障害となり、人工衛星が見通せない場合は、位置測位ができない場合や測位精度が下がってしまう場合があります。

物流IoTにおけるGPSの位置測位を補完する方法

GPSから求められる位置精度は非常に高いものの、電波を受信できず利用できない場合があります。スマホやカーナビのような仕組みを物流向けIoT端末に搭載するにはコストの問題が大きく、違う方法を考えなければいけません。コストをかけず位置測位を行う方法を併用することでこの問題を解決します。※GPS測位は誤差数メートルとなります。

位置取得頻度を増やす

物流什器は移動する場合が多くGPS取得頻度を増やすことで位置取得の確率は高くなります。例えば、午前中は店舗内にあり通信が出来なかったカゴ車が午後には店舗屋外のバックヤードに移動されGPS測位が行われるケースは多々あります。

コストをかけず位置測位を行う方法を併用: Wi-Fi

市中に存在するWi-Fiのアクセスポイントの電波から位置を割り出します。家庭内Wi-Fiの普及率が80%を超えています。そして総務省は全国3万の公共施設へのWi-Fi整備を進めています。物流施設も例外では無く、多くの場合Wi-Fiが設置されています。今後、さらに拡大していくWi-Fiポイントを有効活用し位置取得をする事ができます。※Wi-Fiを利用した場合、誤差0m~100mの概算位置測位が可能です。

コストをかけず位置測位を行う方法を併用: SigfoxAtlas

人口カバー率95%を誇るSigfox基地局を利用した位置測位です。Sigfox特有の低周波数電波は、障害物を回り込むという特性があります。ビルなどの障壁がある場合でも高い確率で位置測位が行える事が特徴です。※SigfoxAtlasは長距離通信規格の基地局測位のため、誤差500m~数kmの概算位置測位が可能です。

3つの位置測位方法を1つにまとめたカゴ車locaTor

物流什器の行き先は店舗や倉庫など決まった場所を行き来するケースが多く、普段からピンポイントの位置情報が必ずしも必須というわけではありません。ただし、紛失や盗難といった異常時には精度の高い位置情報が必要になることは言うまでもありません。

弊社「カゴ車locaTor」では、GPS、Wi-Fi、SigfoxAtlasの3つの位置検知の方法を利用することができます。一般的な運用方法は電池の消耗を抑えるためSigfoxAtlasによる位置検知を行い、想定外の場所へ移動した場合にはWi-FiやGPSを起動したり、位置測位の回数を増やして正確な位置を把握できるようにモードを変更します。

物流什器の紛失や滞留が起こる原因の予想は出来るかもしれませんが、追跡デバイスを利用しなければ実情は分かりません。什器1台当たりの単価が比較的安いものが多いこともあり紛失等を改善しなければいけないと思いつつも定期的に補充しているのが現状です。1日1か所でもカゴ車の所在を把握できれば、異常発生時にその情報に基づき具体的に物流什器管理改善の施策をとる事ができます。これまでしかたがないとあきらめていたことを物流IoTを利用して改善することができるのです。

国際輸送も追跡するカゴ車locaTor

国際輸送も追跡するカゴ車locaTor

全世界に広がるSigfox通信網

カゴ車locaTorは世界を跨ぐ物流機器の追跡も出来ます

Sigfox通信網を利用してカゴ車やコンテナなどの物流機器の位置情報を集め、滞留や紛失を発見するカゴ車locaTorですが、実は海を跨いだ物流でも利用できます。もちろんバッテリーの寿命も数年単位で持ち、その他の特長も国内仕様と同様です。

全世界に広がるSigfox通信網

フランスのSigfox社が生んだSigfox通信技術は世界70ヵ国に展開されています。各国にオペレーターが存在し、Sigfox専用の基地局の整備と回線契約を請負っています。Sigfoxは国を跨いでのシームレスな通信も可能になっており、今後Sigfox導入国が増えて行く事で世界規模の通信網が構築されようとしています。今現在、日本の主要の輸出先である北米、南米、東南アジア、EU諸国などがSigfoxに対応しており、国を跨いでの物流機器を追跡する事ができます。※日本のオペレ―ターは京セラコミュニケーションシステム社です。

追跡デバイスを国際輸送で利用する際の留意点

電波法はクリアしていますか?

利用する国にSigfox通信網が敷かれて、且つ通信周波数を自動で切り替える国際対応デバイスを利用した場合は電波法の問題はありません。※国内向けの周波数を海外で発信することは許されていないためお気をつけください。

追跡デバイス自体は各国の規制に準拠していますか?

国際輸送の追跡用に作られたデバイスであればサイズやスペックが各国の規制に沿った仕様になっていますのでご心配なくお使いいただけますが、国ごとのルールを詳しく知っておく必要があります。

追跡デバイスはインボイスへの記入、届け出など必要ですか?

デバイス利用時の届け出やインボイスへの記入に関しては、利用方法、取り付け方法、移動先の国や企業などにより異なるため都度ご確認ください。フォワーダー企業様や法務担当者などと確認し、各社の定めるコンプライアンスに沿った対応を取る必要があります。

最後に

世界中の国々でシームレスに利用できる通信網が簡単に使えるようになった事は革命的です。国の枠組みを超えて、サプライチェーンの可視化が簡単に出来てしまうインフラやデバイスが利用可能なっています。弊社でも物流全体の効率化の一端を担うべくカゴ車locaTorの改善・普及に努めています。カゴ車locaTorは今日も物流機器の位置データを集め、分析しています。

追跡デバイス取付時のポイント

追跡デバイス取付時のポイント

物流IoTデバイス取付例

追跡や紛失/滞留検知を行うためには“モノ”にデバイスを取り付けますが、対象物によって取付方法は様々です。いくつか具体例をご紹介します。

食品卸企業様向け:カゴ車(ロールボックスパレット)の場合

デバイスは電波を受信しやすいカゴ車上部に取り付けています。鉄柵の間にデバイスを固定し、荷物との干渉、カゴ車を畳んだ時の干渉を避けています。カゴ車がぶつかった際も、デバイスは直接衝撃を受けません。また、目立つ場所に付ける事で、盗難抑止の効果を見込んでいます。
カゴ車ocaTor
結束バンドやネジで取り付けられるデバイスもございます。
カゴ車locaTorカゴ車locaTor

調味料メーカー様向け:液体コンテナの場合

化学品や食品調味料などを運ぶために用いられる専用コンテナです。
コンテナの脚部内側に結束バンドで取り付けています。
カゴ車locaTor
フォークリフトの爪やコンテナを並べた場合に邪魔にならず、作業の際の障害にならない取付位置です。食品工場では、安全性確保のため金属探知機に反応する特殊な結束バンドを使用しています。また、屋外での利用や高圧洗浄にも対応する耐久性のある結束バンドを使用しています。
カゴ車locaTor

デバイス取付時の確認ポイント

通信の確保

遮蔽物がある場合はデバイスの通信は妨げられてしまいます。デバイスの四方をなるべく開けるような位置が望ましいです。特にGPSを利用する場合はGPS衛星を見通す必要があるためデバイス上部に空間を確保する必要があります。

取付金具の素材/耐久性

取付器具にはゴム、プラスチック、ステンレスなど様々な素材があり、使用環境・輸送環境に適した取付器具を選びます。以下の項目に基づき、最適な取付器具を選択します。
 ・屋外利用
 ・直射日光
 ・防水
 ・潮風
 ・デバイス取り外しの有無
 ・高温度帯/低温度帯
 ・振動/衝撃
 ・耐久年数
 ・化学物質の付着

取引先との確認

物流機器は一企業だけでなく関連する企業の間を行き来するケースがあります。デバイスが立ち回る先への周知や取付方法については事前に確認する必要があります。

取付位置の確保

長期間安全に固定できる箇所へ取り付けます。作業員や他の物流機材にデバイスが当たる事が無い取付位置を入念に確認することが重要です。

物流什器のご紹介

物流什器のご紹介

物流什器とカゴ車locaTor

安全に、効率的にモノを運ぶために様々な物流什器があります。パレットやカゴ車などが普及する以前は、1つ1つの荷物を手作業で船やトラックに載せていました。現在の物流には不可欠な物流什器ですが、カゴ車locaTorは物流什器の移動動向をモニターし紛失予防や回転率向上に使われます。カゴ車locaTorが追跡する物流什器にはどんなものがあるのかご紹介します。

物流什器の種類

ケースや箱を運ぶ

段ボール箱などをひとまとめにして配送します。

パレット

パレット

カゴ車(ロールボックスパレット)

カゴ車

六輪車

六輪車

液体を運ぶ

化学薬品や調味料の輸送に使われる什器です。今回は大き目のモノをご紹介します。

IBCコンテナ

液体輸送全般で使われています。
IBCコンテナ

タンクコンテナ(小)

容量は1000ℓ!温度や日光などにデリケートな液体を運ぶ際に使われています。
化学薬品や食品調味料などの輸送にも広く普及しています。
タンクコンテナ

タンクコンテナ(大)

こちらは貨物船や貨物列車に対応しているものです。
1度に10トンの液体を輸送できる大きいサイズもあります。
タンクコンテナ大

ローリー

トラックの荷台が容器になっています。
ローリー

特殊なモノを運ぶ

ガラス用パレット

ガラス輸送用に作られているパレットです。
ガラス用パレット

ULD(航空貨物用コンテナ)

チェックインラゲージや空輸の荷物がこの什器に入れられて運ばれます。
ULD(航空貨物用コンテナ)

海上コンテナ

20フィート、40フィート、リーファーコンテナなど海上輸送の効率を飛躍的に向上しました。
海上コンテナ

パーツ用通い箱

車のパーツなどの運送の際に使用されます。
パーツ用通い箱

その他(物流向け什器ではありませんが紛失・滞留の管理が課題となっています)

屋外で使用する機器や機材については、
「どこで利用されているか?どこに置いてきたか?」を知りたいといったニーズがあります。

産業機器

産業機器

ディーゼル発電機

ディーゼル発電機

産廃用コンテナ

産廃用コンテナ

工事用表示機

工事用表示機

コンテナシャーシ

コンテナシャーシ

これからのアセットトラッキング

いかがでしたでしょうか。物流の効率化を支える物流什器は、必要不可欠なアセット(資産)です。このような物流什器は何よりも数が多く、さらに不規則に拠点を行き来する事が多いため、これまではしっかりとした管理が困難でした。

カゴ車locaTorが利用するLPWA通信技術などにより、1つ1つの物流什器が今どこにあり、効率的に動いているか低コストで確認する事ができるようになりました。今後も技術の発達と共にアセットトラッキングの分野は、位置情報だけでなくその時点の状態をより詳細に把握するため温度、湿度、照度、衝撃、加速度など様々なデータも管理するようになって行く事でしょう。

物流の目線で見るHACCP

物流の目線で見るHACCP

HACCPとは?

HACCP【Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重要)Control(管理)Point(点)】

HACCPは食品の製造工程の各段階で品質問題が起き易い点をあらかじめ予測し、被害を未然に防ぐ管理方法として米国から持ち込まれました。全ての食品等事業者を対象にHACCP導入の義務化が決定し、2021年6月の実施期限を前に食品業界各社は準備を急いでいます。日本国内において食品管理が更に厳しくなります。

HACCP義務化の対象は、大手食品メーカーからレストランなどの小規模事業者全般まで幅広く、食品業界全体にかかわる大きな変化が起こります。 基本的には従業員が50人以上の中・大規模事業は、HACCPチームの編成など厳格な管理が必要になります。一方、50人以下の小規模事業には、簡易的な管理手法の順守が求められます。

物流目線でとらえたHACCP

物流企業はモノを運ぶ事や保管する事が業務であり、多くの場合食品や材料を作る事には直接関与しません。しかしながら商品の品質を保証しお客様へ届けなければいけないため、HACCPの一端を担うという事実は変わりません。

このHACCP導入の波で一層商品の取り扱いに注意を払う必要が出てきます。輸送経路、商品の種類、荷主の規模によって求められるレベルは大きく異なります。例えば、荷主が大手食品メーカーや飲食チェーン店であれば、レベルの高いHACCP対応が求められるでしょうし、温度管理を必要としない食品を取り扱う場合は簡易的な対応で済む事が予想されます。とはいえ、日本全体が食品衛生に一層の注意を払う事になるため、物流業界にも新たな品質のスタンダードが必要とされています。

食品物流業界における温度管理

物流業界における衛生・品質管理において、最も重要な点が温度管理です。現在でも倉庫内や輸送中のトラック内などの温度管理は徹底されていますが、今後は商品自体の温度を記録し、エビデンスを残しておく事も必要な場合が増えてきます。

現在は、以下についてはすでに実施しているかと思います。
 ・冷蔵庫、冷凍庫の温度チェック
 ・配送車の庫内温度記録
 ・荷主から預かった時の状態を示すもの

今後は上記に加え倉庫から配送車への積み込み途中の状態、倉庫内の移動時の状態、配送後の状態など今まで補足できなかったデータを商品に一緒に設置した温度センサーにより管理する事が必要になってきます。

温度記録については手作業で行われる事が多く、繁忙期は手が回らず正しく記録が取れない等、精度にも問題があるのが現実です。今後、さらに管理の精度を高めていくためには温度記録の自動化システムが必須となってきます。食品衛生法の改正は、物流業界において、品質管理体制の抜本的な改善を行うきっかけとなるでしょう。

アセットトラッキングの可能性

パレット

アセットトラッキングへのニーズ

モノを運ぶ事で価値を生む物流業界にとって、正確でリアルタイムな資産の位置情報は今後ますます重要となり、アセットトラッキングは大きな可能性を秘めています。今回は、物流の分野ではどのようなアセットトラッキングの展望があるのかご紹介いたします。

カゴ車、コンテナの追跡

カゴ車
世界には、大小さまざまな20憶個の運搬用台車が存在すると言われています。日本では、カゴ車(ロールボックスパレット)が多く普及しており、人力で簡単に移動ができます。物流センターから届いたカゴ車がそのままスーパー店内まで運ばれ、品出ししている姿を見かける事もあるかと思います。小売店の店頭で陳列棚として使われているケースもよく見られます。

一般的なスーパー1店舗当たり100-300台、配送センターあたり数千台のカゴ車を所有しておりますが、カゴ車の管理は煩雑になりがちな傾向があり、各社とも毎年補充のための費用が発生しています。また、カゴ車だけでなく各種コンテナ、部品運搬用の通い箱、特殊容器など今まで管理が難しかった物流機器全般にも言える話です。トラッキングの精度が課題となっておりましたが、追跡タグなどのIoT技術により管理レベルは進歩しており、買い足し費用の削減を実現しています。

IoT化の目的

 ・店舗や物流拠点から返却されず滞留しているカゴ車の発見
 ・什器の在庫管理自動化
 ・買い足し費用削減
 ・什器の回転率向上
 ・回収作業の効率化

パレットの追跡

パレット
物流現場で最も数多く使われている什器がパレットです。一昔前は木製のパレットも見られましたが最近はプラスチック製が一般的です。1枚当たりの単価は安価とはいえ使用数量が多く世界に50億個存在しているといわれています。この数の多さゆえ「紛失」の量も多く、無くなった分だけ買い足す費用も積み上げると相当の金額になっています。

複雑な物流経路の過程で、本来は空パレットは返却するルールになっているにもかかわらず、他社の物と混ざってしまったり、配送先でそのまま利用されてしまったりと結果的に行方不明になる事が頻繁に起こっています。

IoT化の目的

 ・パレット紛失の原因を突き止め紛失数の削減
 ・衝撃センサー付きのデバイスを利用し輸送途中の荷物の状態監視
 ・買い足し費用削減
 ・パレットの回転率向上
 ・回収作業の効率化

小包の追跡

小包の追跡
ネットショッピングが定着した事もあり、世界では1日に5-10億個の小包が発送されています。オンラインショップでは、既に配送状況の追跡は出来るようになっていますが、これがリアルタイムでさらに細かい位置情報と共に確認できたらどうでしょうか。

現在ラストワンマイル配送の再配送コストは大きな障壁です。追跡デバイスの値段が梱包箱と同じレベルまで下がり、すべての荷物が追跡できるようになれば受取者とタイムリーなコミュニケーションを自動的に取れるようになります。再配達の無い未来も遠くはありません。

IoT化の目的

 ・配送詳細情報の把握
 ・位置情報に加え、開封検知センサーにより配達ステータスの自動更新
 ・配送中の盗難防止や配送に関する不当なクレームの抑止
 ・配送経路データを元にした配送ルートの最適化

IoT化を妨げる課題

IoT化を妨げる課題

あらゆるものをネットに繋ぐ

今までネットに繋ぐモノといえば携帯電話やパソコンなどと、ネットに繋がる事を大前提に開発された専用機器でした。通信技術とコストが身近になった事で、あらゆるモノをネットに繋げる動きが出てきています。モノのインターネットInternet of Things(IoT)と呼ばれています。

例えば、IoT化に積極的な製造業では、製造設備のセンサーをネットに繋げる事により工場全体の品質管理や生産性向上に役立てています。日常生活でも、通信機能付きの家電製品を遠隔からスイッチのオンオフをしたり、アラート通知などが出来る製品も出てきています。

IoT化が重要視されている最大の理由は、今後の社会ではデータ解析が必要不可欠なものとなっていくからです。あらゆるモノからデータを収集、分析し、今まで見る術が無かった詳細情報を可視化する事ができ、無駄がなく効率的で安全な社会を構築できます。

産業界におけるIoT

データを収集し分析する事により人々の生活をより豊かに、ビジネスをより円滑にするヒントを得る事ができます。ビジネスにおいてのIoTはセンサー情報を様々なところから集める事に可能性を見出しており、主に現在はメータリング、モニタリング、トラッキングの用途で力を発揮します。具体例をあげれば以下となります。

メータリング(検針)

 ・ガスメーターなどの遠隔検針
 ・温度計等の遠隔計測

モニタリング(監視)

 ・空気汚染モニタリング
 ・プロパンガス・灯油タンクの残量監視
 ・公共インフラなどの設備監視
 ・駐車場管理

トラッキング(追跡)

 ・物流貨物の追跡
 ・人の見守り安否確認
 ・配車運行管理
 ・レンタル自転車管理

IoT化の際に突き当たる障壁

通信網の確保

IoT化への課題のひとつがネットワーク網の確保です。屋内の設備や機器であれば有線や、既存のWi-Fi等で対応できますが、特に不特定な屋外を移動する場合、例えば配送中の商品の動きを追跡したい場合は、広い物流網一帯にネットワークを張り巡らせる必要が出てきます。日本全国で通信可能な4G等のモバイル通信網を利用すればシステム的には可能ですが、モバイル回線の通信料は高く、費用対効果が見合わない場合が殆どです。

バッテリー寿命の課題

モバイル通信は多くの電力を使います。屋内屋外問わず、置くだけで使えるバッテリー駆動の機器の多くは定期的に充電したり電池交換をすることを前提に作られています。大量のIoTデバイスを定期的に充電する手間を掛ける事は現実的では無い場合が多いのが現実です。

IoT向けの通信規格

世の中のあらゆるものをネットに繋げるには省電力で、省コスト、広範囲に電波が届く通信が求められます。その問いへの解決策として考えられたのがLPWA通信です。Low Power(省電力)でWide Area(広範囲)の通信が行える文字通りの意味を持ちます。今回ご紹介したようなIoT化の障壁を払拭するべく登場し、期待が高まるLPWAは、どのようにIoT化を促進していくのか、どのような影響を与えるのか下記の記事でご紹介します。

IoT化を促進するLPWA


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