GPSが取れない場合はどうする?

GPSとは?
GPSは、人工衛星を利用した位置測位システムです。スマートフォンやカーナビなどもGPSを利用しています。人工衛星からの電波を補足して、高い精度で位置測位が可能です。
GPSは人工衛星を見通せる屋外でのみ利用可能ですがスマホやカーナビは屋内、地下鉄、トンネル内でも位置測位ができます。これらはGPS以外にモバイル基地局やWi-Fiを利用したり、加速度センサーなど他の技術を併用しGPSの電波が届かない場所でも正確な位置測位を可能としています。
GPS利用時の確認ポイント
GPS搭載の物流向けIoTデバイスは荷物の追跡などに使われていますが、GPSでうまく位置測位できないケースがあります。GPS測位についていくつかの注意ポイントを挙げます。
デバイスの設置方法
GPS機器の推奨取り付け位置はデバイス内に取り付けてあるGPSアンテナの向きなどによって様々です。取り付ける位置や角度によっても受信感度に違いが出ますので、デバイス毎のベストな取り付け方を確認する必要があります。 また、雨除けの用の保護ケースなどを使う場合も、通信環境を低下させないようケースの材質や機器の取付方法を調整する必要があります。
屋内では位置測位出来ない
屋内では人工衛星からの電波が天井や壁に遮断されてしまっている為、GPSによる測位はできません。窓際などで衛星を見通せる場合は屋内でも位置測位できる場合があります。
障害物に弱い
屋内と同様、トンネル、ビルなどが障害となり、人工衛星が見通せない場合は、位置測位ができない場合や測位精度が下がってしまう場合があります。
物流IoTにおけるGPSの位置測位を補完する方法
GPSから求められる位置精度は非常に高いものの、電波を受信できず利用できない場合があります。スマホやカーナビのような仕組みを物流向けIoT端末に搭載するにはコストの問題が大きく、違う方法を考えなければいけません。コストをかけず位置測位を行う方法を併用することでこの問題を解決します。※GPS測位は誤差数メートルとなります。
位置取得頻度を増やす
物流什器は移動する場合が多くGPS取得頻度を増やすことで位置取得の確率は高くなります。例えば、午前中は店舗内にあり通信が出来なかったカゴ車が午後には店舗屋外のバックヤードに移動されGPS測位が行われるケースは多々あります。
コストをかけず位置測位を行う方法を併用: Wi-Fi
市中に存在するWi-Fiのアクセスポイントの電波から位置を割り出します。家庭内Wi-Fiの普及率が80%を超えています。そして総務省は全国3万の公共施設へのWi-Fi整備を進めています。物流施設も例外では無く、多くの場合Wi-Fiが設置されています。今後、さらに拡大していくWi-Fiポイントを有効活用し位置取得をする事ができます。※Wi-Fiを利用した場合、誤差0m~100mの概算位置測位が可能です。
コストをかけず位置測位を行う方法を併用: SigfoxAtlas
人口カバー率95%を誇るSigfox基地局を利用した位置測位です。Sigfox特有の低周波数電波は、障害物を回り込むという特性があります。ビルなどの障壁がある場合でも高い確率で位置測位が行える事が特徴です。※SigfoxAtlasは長距離通信規格の基地局測位のため、誤差500m~数kmの概算位置測位が可能です。
3つの位置測位方法を1つにまとめたカゴ車locaTor
物流什器の行き先は店舗や倉庫など決まった場所を行き来するケースが多く、普段からピンポイントの位置情報が必ずしも必須というわけではありません。ただし、紛失や盗難といった異常時には精度の高い位置情報が必要になることは言うまでもありません。
弊社「カゴ車locaTor」では、GPS、Wi-Fi、SigfoxAtlasの3つの位置検知の方法を利用することができます。一般的な運用方法は電池の消耗を抑えるためSigfoxAtlasによる位置検知を行い、想定外の場所へ移動した場合にはWi-FiやGPSを起動したり、位置測位の回数を増やして正確な位置を把握できるようにモードを変更します。
物流什器の紛失や滞留が起こる原因の予想は出来るかもしれませんが、追跡デバイスを利用しなければ実情は分かりません。什器1台当たりの単価が比較的安いものが多いこともあり紛失等を改善しなければいけないと思いつつも定期的に補充しているのが現状です。1日1か所でもカゴ車の所在を把握できれば、異常発生時にその情報に基づき具体的に物流什器管理改善の施策をとる事ができます。これまでしかたがないとあきらめていたことを物流IoTを利用して改善することができるのです。
国際輸送も追跡するカゴ車locaTor

全世界に広がるSigfox通信網
カゴ車locaTorは世界を跨ぐ物流機器の追跡も出来ます
Sigfox通信網を利用してカゴ車やコンテナなどの物流機器の位置情報を集め、滞留や紛失を発見するカゴ車locaTorですが、実は海を跨いだ物流でも利用できます。もちろんバッテリーの寿命も数年単位で持ち、その他の特長も国内仕様と同様です。
全世界に広がるSigfox通信網
フランスのSigfox社が生んだSigfox通信技術は世界70ヵ国に展開されています。各国にオペレーターが存在し、Sigfox専用の基地局の整備と回線契約を請負っています。Sigfoxは国を跨いでのシームレスな通信も可能になっており、今後Sigfox導入国が増えて行く事で世界規模の通信網が構築されようとしています。今現在、日本の主要の輸出先である北米、南米、東南アジア、EU諸国などがSigfoxに対応しており、国を跨いでの物流機器を追跡する事ができます。※日本のオペレ―ターは京セラコミュニケーションシステム社です。
追跡デバイスを国際輸送で利用する際の留意点
電波法はクリアしていますか?
利用する国にSigfox通信網が敷かれて、且つ通信周波数を自動で切り替える国際対応デバイスを利用した場合は電波法の問題はありません。※国内向けの周波数を海外で発信することは許されていないためお気をつけください。
追跡デバイス自体は各国の規制に準拠していますか?
国際輸送の追跡用に作られたデバイスであればサイズやスペックが各国の規制に沿った仕様になっていますのでご心配なくお使いいただけますが、国ごとのルールを詳しく知っておく必要があります。
追跡デバイスはインボイスへの記入、届け出など必要ですか?
デバイス利用時の届け出やインボイスへの記入に関しては、利用方法、取り付け方法、移動先の国や企業などにより異なるため都度ご確認ください。フォワーダー企業様や法務担当者などと確認し、各社の定めるコンプライアンスに沿った対応を取る必要があります。
最後に
世界中の国々でシームレスに利用できる通信網が簡単に使えるようになった事は革命的です。国の枠組みを超えて、サプライチェーンの可視化が簡単に出来てしまうインフラやデバイスが利用可能なっています。弊社でも物流全体の効率化の一端を担うべくカゴ車locaTorの改善・普及に努めています。カゴ車locaTorは今日も物流機器の位置データを集め、分析しています。
追跡デバイス取付時のポイント

物流IoTデバイス取付例
追跡や紛失/滞留検知を行うためには“モノ”にデバイスを取り付けますが、対象物によって取付方法は様々です。いくつか具体例をご紹介します。
食品卸企業様向け:カゴ車(ロールボックスパレット)の場合
デバイスは電波を受信しやすいカゴ車上部に取り付けています。鉄柵の間にデバイスを固定し、荷物との干渉、カゴ車を畳んだ時の干渉を避けています。カゴ車がぶつかった際も、デバイスは直接衝撃を受けません。また、目立つ場所に付ける事で、盗難抑止の効果を見込んでいます。

結束バンドやネジで取り付けられるデバイスもございます。


調味料メーカー様向け:液体コンテナの場合
化学品や食品調味料などを運ぶために用いられる専用コンテナです。
コンテナの脚部内側に結束バンドで取り付けています。

フォークリフトの爪やコンテナを並べた場合に邪魔にならず、作業の際の障害にならない取付位置です。食品工場では、安全性確保のため金属探知機に反応する特殊な結束バンドを使用しています。また、屋外での利用や高圧洗浄にも対応する耐久性のある結束バンドを使用しています。

デバイス取付時の確認ポイント
通信の確保
遮蔽物がある場合はデバイスの通信は妨げられてしまいます。デバイスの四方をなるべく開けるような位置が望ましいです。特にGPSを利用する場合はGPS衛星を見通す必要があるためデバイス上部に空間を確保する必要があります。
取付金具の素材/耐久性
取付器具にはゴム、プラスチック、ステンレスなど様々な素材があり、使用環境・輸送環境に適した取付器具を選びます。以下の項目に基づき、最適な取付器具を選択します。
・屋外利用
・直射日光
・防水
・潮風
・デバイス取り外しの有無
・高温度帯/低温度帯
・振動/衝撃
・耐久年数
・化学物質の付着
取引先との確認
物流機器は一企業だけでなく関連する企業の間を行き来するケースがあります。デバイスが立ち回る先への周知や取付方法については事前に確認する必要があります。
取付位置の確保
長期間安全に固定できる箇所へ取り付けます。作業員や他の物流機材にデバイスが当たる事が無い取付位置を入念に確認することが重要です。
アセットトラッキングの可能性

アセットトラッキングへのニーズ
モノを運ぶ事で価値を生む物流業界にとって、正確でリアルタイムな資産の位置情報は今後ますます重要となり、アセットトラッキングは大きな可能性を秘めています。今回は、物流の分野ではどのようなアセットトラッキングの展望があるのかご紹介いたします。
カゴ車、コンテナの追跡

世界には、大小さまざまな20憶個の運搬用台車が存在すると言われています。日本では、カゴ車(ロールボックスパレット)が多く普及しており、人力で簡単に移動ができます。物流センターから届いたカゴ車がそのままスーパー店内まで運ばれ、品出ししている姿を見かける事もあるかと思います。小売店の店頭で陳列棚として使われているケースもよく見られます。
一般的なスーパー1店舗当たり100-300台、配送センターあたり数千台のカゴ車を所有しておりますが、カゴ車の管理は煩雑になりがちな傾向があり、各社とも毎年補充のための費用が発生しています。また、カゴ車だけでなく各種コンテナ、部品運搬用の通い箱、特殊容器など今まで管理が難しかった物流機器全般にも言える話です。トラッキングの精度が課題となっておりましたが、追跡タグなどのIoT技術により管理レベルは進歩しており、買い足し費用の削減を実現しています。
IoT化の目的
・店舗や物流拠点から返却されず滞留しているカゴ車の発見
・什器の在庫管理自動化
・買い足し費用削減
・什器の回転率向上
・回収作業の効率化
パレットの追跡

物流現場で最も数多く使われている什器がパレットです。一昔前は木製のパレットも見られましたが最近はプラスチック製が一般的です。1枚当たりの単価は安価とはいえ使用数量が多く世界に50億個存在しているといわれています。この数の多さゆえ「紛失」の量も多く、無くなった分だけ買い足す費用も積み上げると相当の金額になっています。
複雑な物流経路の過程で、本来は空パレットは返却するルールになっているにもかかわらず、他社の物と混ざってしまったり、配送先でそのまま利用されてしまったりと結果的に行方不明になる事が頻繁に起こっています。
IoT化の目的
・パレット紛失の原因を突き止め紛失数の削減
・衝撃センサー付きのデバイスを利用し輸送途中の荷物の状態監視
・買い足し費用削減
・パレットの回転率向上
・回収作業の効率化
小包の追跡

ネットショッピングが定着した事もあり、世界では1日に5-10億個の小包が発送されています。オンラインショップでは、既に配送状況の追跡は出来るようになっていますが、これがリアルタイムでさらに細かい位置情報と共に確認できたらどうでしょうか。
現在ラストワンマイル配送の再配送コストは大きな障壁です。追跡デバイスの値段が梱包箱と同じレベルまで下がり、すべての荷物が追跡できるようになれば受取者とタイムリーなコミュニケーションを自動的に取れるようになります。再配達の無い未来も遠くはありません。
IoT化の目的
・配送詳細情報の把握
・位置情報に加え、開封検知センサーにより配達ステータスの自動更新
・配送中の盗難防止や配送に関する不当なクレームの抑止
・配送経路データを元にした配送ルートの最適化
物流什器のご紹介

物流什器とカゴ車locaTor
安全に、効率的にモノを運ぶために様々な物流什器があります。パレットやカゴ車などが普及する以前は、1つ1つの荷物を手作業で船やトラックに載せていました。現在の物流には不可欠な物流什器ですが、カゴ車locaTorは物流什器の移動動向をモニターし紛失予防や回転率向上に使われます。カゴ車locaTorが追跡する物流什器にはどんなものがあるのかご紹介します。
物流什器の種類
ケースや箱を運ぶ
段ボール箱などをひとまとめにして配送します。
パレット

カゴ車(ロールボックスパレット)

六輪車

液体を運ぶ
化学薬品や調味料の輸送に使われる什器です。今回は大き目のモノをご紹介します。
IBCコンテナ
液体輸送全般で使われています。

タンクコンテナ(小)
容量は1000ℓ!温度や日光などにデリケートな液体を運ぶ際に使われています。
化学薬品や食品調味料などの輸送にも広く普及しています。

タンクコンテナ(大)
こちらは貨物船や貨物列車に対応しているものです。
1度に10トンの液体を輸送できる大きいサイズもあります。

ローリー
トラックの荷台が容器になっています。

特殊なモノを運ぶ
ガラス用パレット
ガラス輸送用に作られているパレットです。

ULD(航空貨物用コンテナ)
チェックインラゲージや空輸の荷物がこの什器に入れられて運ばれます。

海上コンテナ
20フィート、40フィート、リーファーコンテナなど海上輸送の効率を飛躍的に向上しました。

パーツ用通い箱
車のパーツなどの運送の際に使用されます。

その他(物流向け什器ではありませんが紛失・滞留の管理が課題となっています)
屋外で使用する機器や機材については、
「どこで利用されているか?どこに置いてきたか?」を知りたいといったニーズがあります。
産業機器

ディーゼル発電機

産廃用コンテナ

工事用表示機

コンテナシャーシ

これからのアセットトラッキング
いかがでしたでしょうか。物流の効率化を支える物流什器は、必要不可欠なアセット(資産)です。このような物流什器は何よりも数が多く、さらに不規則に拠点を行き来する事が多いため、これまではしっかりとした管理が困難でした。
カゴ車locaTorが利用するLPWA通信技術などにより、1つ1つの物流什器が今どこにあり、効率的に動いているか低コストで確認する事ができるようになりました。今後も技術の発達と共にアセットトラッキングの分野は、位置情報だけでなくその時点の状態をより詳細に把握するため温度、湿度、照度、衝撃、加速度など様々なデータも管理するようになって行く事でしょう。
物流の目線で見るHACCP

HACCPとは?
HACCP【Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重要)Control(管理)Point(点)】
HACCPは食品の製造工程の各段階で品質問題が起き易い点をあらかじめ予測し、被害を未然に防ぐ管理方法として米国から持ち込まれました。全ての食品等事業者を対象にHACCP導入の義務化が決定し、2021年6月の実施期限を前に食品業界各社は準備を急いでいます。日本国内において食品管理が更に厳しくなります。
HACCP義務化の対象は、大手食品メーカーからレストランなどの小規模事業者全般まで幅広く、食品業界全体にかかわる大きな変化が起こります。 基本的には従業員が50人以上の中・大規模事業は、HACCPチームの編成など厳格な管理が必要になります。一方、50人以下の小規模事業には、簡易的な管理手法の順守が求められます。
物流目線でとらえたHACCP
物流企業はモノを運ぶ事や保管する事が業務であり、多くの場合食品や材料を作る事には直接関与しません。しかしながら商品の品質を保証しお客様へ届けなければいけないため、HACCPの一端を担うという事実は変わりません。
このHACCP導入の波で一層商品の取り扱いに注意を払う必要が出てきます。輸送経路、商品の種類、荷主の規模によって求められるレベルは大きく異なります。例えば、荷主が大手食品メーカーや飲食チェーン店であれば、レベルの高いHACCP対応が求められるでしょうし、温度管理を必要としない食品を取り扱う場合は簡易的な対応で済む事が予想されます。とはいえ、日本全体が食品衛生に一層の注意を払う事になるため、物流業界にも新たな品質のスタンダードが必要とされています。
食品物流業界における温度管理
物流業界における衛生・品質管理において、最も重要な点が温度管理です。現在でも倉庫内や輸送中のトラック内などの温度管理は徹底されていますが、今後は商品自体の温度を記録し、エビデンスを残しておく事も必要な場合が増えてきます。
現在は、以下についてはすでに実施しているかと思います。
・冷蔵庫、冷凍庫の温度チェック
・配送車の庫内温度記録
・荷主から預かった時の状態を示すもの
今後は上記に加え倉庫から配送車への積み込み途中の状態、倉庫内の移動時の状態、配送後の状態など今まで補足できなかったデータを商品に一緒に設置した温度センサーにより管理する事が必要になってきます。
温度記録については手作業で行われる事が多く、繁忙期は手が回らず正しく記録が取れない等、精度にも問題があるのが現実です。今後、さらに管理の精度を高めていくためには温度記録の自動化システムが必須となってきます。食品衛生法の改正は、物流業界において、品質管理体制の抜本的な改善を行うきっかけとなるでしょう。
IoT化を促進するLPWA

世の中のあらゆるものをネットに繋げるには省電力で、省コスト、広範囲に電波が届く通信が求められます。 その問いへの解決策として考えられたのがLPWA通信です。Low Power(省電力)でWide Area(広範囲)の通信が行える文字通りの意味を持ちます。
LPWAのLP:なぜ省電力?
4G通信の100万分の1のデータ通信速度「遅くても充分」
全体の9割以上のIoTデバイスは極めて少量のデータ(温度情報や測位情報,etc.)を通信します。そのため通信速度も高速なものは必要ではありません。一般的にスマートフォンで使われている4G通信は1秒間に75~100MBのデータ通信を行いますが、これはIoT機器が必要とする10万~100万倍のデータ通信速度になります。IoT向けの低速通信は省電力化と通信コスト削減に大きく貢献しています。
LPWAのWA:なぜ広範囲?
IoT機器は少量データしか扱わないため、データ送信速度の低い低周波数の電波を利用します。波長がなめらかで長い電波は雨や地形などの様々な環境ノイズに干渉されにくく遠くまで届きます。この特徴が広範囲通信を実現します。
大容量通信のWi-Fiの通信範囲はアクセスポイントから10m~100mと言われていますが、LPWAは数㎞から数十km離れていても通信が可能です。電波が広範囲まで届くという事は基地局やゲートウェイの数が少なくて済みます。すなわち低コストで通信網を構築出来ます。
LPWAの種類と比較
LPWA自体は大まかな概念であり細かな規定は定まっていませんが、LPWAの考え方に基づいて作られた規格は世界中で数多くあります。例をあげてみます。
・LoRaWAN
・Sigfox
・RPMA
・FlexNet
・EnOcean Long Range
・ELTRES
・ZETA
・Weightless-P
・IEEE 802.15.4k(LECIM)
LoRaWANとSigfox
今回は、日本国内で一般的なLPWA2つ、SigfoxとLoRaWANの規格を比較してみます。
| LoRaWAN | Sigfox | |
|---|---|---|
| 概要 | LoRaアライアンスにより2015年に発足 | フランスのSigfox社が開発 2012年より商用化 |
| FUOTA | 対応可 | 不可 |
| 通信距離 | 見通しで10㎞ | 30㎞~50㎞ |
| 周波数帯 | 920MHz | 920MHz |
| 通信免許 | 不要 | 不要 |
| 移動中の通信 | 時速40㎞まで | 時速20kmまで |
| 通信網 | 自営 | 京セラ社が整備 (2021年3月現在:国内人口カバー率95%) |
LoRaWANの利点
充実したネットワークプランや機器ラインナップ
IoT機器から収集するデータ、収集する頻度は利用場面により様々です。LoRaWANは、課題に合わせたIoT構築が容易です。複数のベンダーにより、LoRaWan構築パッケージやIoTデバイスのラインナップも充実しています。また、LoRaWanはFUOTA(Firmware Update Over The Air)に対応しており、ソフトウェアに変更点やバグが発生した際に物理的に1つ1つのデバイスを回収せずに、遠隔地からアップデートが出来ます。IoTデバイスの用途/性質によってはFUOTAは必須の条件となります。
安定した通信網
通信環境をユーザー自ら構築する為、通信の冗長性の構築、第三者による通信妨害のリスクを下げられる事も利点です。モバイル通信やSigfox通信が届かない工場内、地下、山岳部、海外のエリアで安定的な通信を確立したい場合などに向いています。
Sigfoxの利点
基地局の構築が不要
Sigfoxの大幅に有利な点は、すでに基地局が全国に設置されている事です。ユーザー側が基地局を設置する必要がありません。現在、Sigfoxは全国95%の人口カバー率を誇り、山岳部などを除けば、全国何処からでも通信が行えます。屋内通信に弱い弱点はありますが、必要に応じてリピーダーやレンタル基地局を設置することで屋内でも利用が可能です。全国を不規則に移動する物流資材の追跡や、屋外に設置するIoT機器の通信に最適です。
導入コスト
1度の通信で最大12バイト、1日最大140回までの通信制限がありますが、ネットワークサーバーや基地局の準備無しで1台当たりの年間通信費100円~で済む事は他のLPWAと比べて大変魅力的です。
利用目的に合ったLPWAを選ぶ
LPWA製品にはそれぞれ利点があります。 IoT化する対象、必要なデータ、データを必要とするタイミング、利用する場所などを考慮し、最適なLPWAを選択する事が重要です。
弊社のIoTの取り組みの1つ「カゴ車locaTor」は物流什器が全国のどこに何個あるのか知りたいというニーズに対しての解決案を提供しています。そのためには全国どこからでも通信ができ、通信頻度は1日数回、送るデータは位置情報のみ、電池交換や充電は必要とせず最低5年以上利用できる、といったニーズに合致したLPWAを探した結果Sigfoxを採用しました。
IoT化を妨げる課題

あらゆるものをネットに繋ぐ
今までネットに繋ぐモノといえば携帯電話やパソコンなどと、ネットに繋がる事を大前提に開発された専用機器でした。通信技術とコストが身近になった事で、あらゆるモノをネットに繋げる動きが出てきています。モノのインターネットInternet of Things(IoT)と呼ばれています。
例えば、IoT化に積極的な製造業では、製造設備のセンサーをネットに繋げる事により工場全体の品質管理や生産性向上に役立てています。日常生活でも、通信機能付きの家電製品を遠隔からスイッチのオンオフをしたり、アラート通知などが出来る製品も出てきています。
IoT化が重要視されている最大の理由は、今後の社会ではデータ解析が必要不可欠なものとなっていくからです。あらゆるモノからデータを収集、分析し、今まで見る術が無かった詳細情報を可視化する事ができ、無駄がなく効率的で安全な社会を構築できます。
産業界におけるIoT
データを収集し分析する事により人々の生活をより豊かに、ビジネスをより円滑にするヒントを得る事ができます。ビジネスにおいてのIoTはセンサー情報を様々なところから集める事に可能性を見出しており、主に現在はメータリング、モニタリング、トラッキングの用途で力を発揮します。具体例をあげれば以下となります。
メータリング(検針)
・ガスメーターなどの遠隔検針
・温度計等の遠隔計測
モニタリング(監視)
・空気汚染モニタリング
・プロパンガス・灯油タンクの残量監視
・公共インフラなどの設備監視
・駐車場管理
トラッキング(追跡)
・物流貨物の追跡
・人の見守り安否確認
・配車運行管理
・レンタル自転車管理
IoT化の際に突き当たる障壁
通信網の確保
IoT化への課題のひとつがネットワーク網の確保です。屋内の設備や機器であれば有線や、既存のWi-Fi等で対応できますが、特に不特定な屋外を移動する場合、例えば配送中の商品の動きを追跡したい場合は、広い物流網一帯にネットワークを張り巡らせる必要が出てきます。日本全国で通信可能な4G等のモバイル通信網を利用すればシステム的には可能ですが、モバイル回線の通信料は高く、費用対効果が見合わない場合が殆どです。
バッテリー寿命の課題
モバイル通信は多くの電力を使います。屋内屋外問わず、置くだけで使えるバッテリー駆動の機器の多くは定期的に充電したり電池交換をすることを前提に作られています。大量のIoTデバイスを定期的に充電する手間を掛ける事は現実的では無い場合が多いのが現実です。
IoT向けの通信規格
世の中のあらゆるものをネットに繋げるには省電力で、省コスト、広範囲に電波が届く通信が求められます。その問いへの解決策として考えられたのがLPWA通信です。Low Power(省電力)でWide Area(広範囲)の通信が行える文字通りの意味を持ちます。今回ご紹介したようなIoT化の障壁を払拭するべく登場し、期待が高まるLPWAは、どのようにIoT化を促進していくのか、どのような影響を与えるのか下記の記事でご紹介します。
データ取得のタイミング

物流業界でのデータロガー
データロガーは、搭載したセンサで温度、湿度、衝撃、傾きなどのデータを計測しデータを蓄積するデバイスです。物流においては、主に輸送品質のモニタリング用途に使われており、環境にデリケートな食品、精密機械、医療品などが主な対象となっています。例えば、温度が規定値を上回った場合、「いつ何度だったか」といった具体的な情報を確認できる為、原因の追究が容易となります。
いつデータが欲しいか?
ロガー本体に保存された情報をいつ確認したいのかによって利用するデータロガーのタイプが異なります。データを確認したいタイミングは大まかに2パターンあります。輸送終了後にまとめてデータを確認する場合と、リアルタイムにデータを確認したい場合です。
輸送後にデータ取得
一連の輸送後にまとめてデータを取得する方法のメリットはシンプルさにあります。データロガーを商品と同梱するだけで輸送環境のモニタリングが行えます。ロガー自体もシンプルな作りの為、1台あたり数千円から購入できます。船や飛行機による精密機器の国際輸送や生鮮食品の温度管理の確認用として利用されています。デメリットとしては、輸送後の読取時に始めてデータが確認できるため、データの確認にタイムラグが発生する事です。
メリット
・長い電池寿命
・安価なデバイス
・導入が簡単
デメリット
・輸送完了まで取得した情報が確認できない
・データ収集のための作業が発生する
リアルタイムにデータ取得
モバイル通信網(3G,4G)や自前の通信網を利用しリアルタイム通信を可能にします。この方法は人手による読み取り作業が発生しないたのが特徴です。データロガーが通信網に入ったと同時に自動でデータ送信を行う方法や携帯電話の通信網を利用し全国どこからでもリアルタイムにモニタリングをする方法があります。
月々の通信費や設備メンテナンス費用などのコストは相対的に高くなりますが、常に商品のモニターが必要なデリケート品向けに有用です。手作業による読取作業が必要ない通信型のデバイスは、通信頻度によってはバッテリーによる稼働時間に留意する必要があります。
メリット
・異常時にその場での対応可能
・欲しい時に欲しいデータを即時に検知することができる
・一度通信網を築くと運用に手間がかからない
デメリット
・設備投資コストが高い
・通信コスト(回線費用など)が発生する
データの通信方法
取得したデータをどのように通信するかはデバイスによって異なり、種類があります。データロガーが取得したデータをスマホやPDAを利用して収集するタイプや、ロガーが自立的にデータ送信するタイプがあります。通信方式をいくつかご紹介します。
- NFCを利用したタッチ式
- USBドングルを利用した挿しこみ式
- Bluetoothを利用した単距離通信式
- モバイル通信網を利用した遠隔通信型(リアルタイムにデータ取得)
- LPWAを利用した遠隔通信型(リアルタイムにデータ取得)
データロガーをNFC対応のスマートフォンや専用の読取装置にタッチする事でデータを送信します。
USBドングル付きデータロガーをPCに挿し込む事でデータ送信をします。
Bluetoothタイプは、10m程の単距離データ送信が行えます。Bluetooth対応のスマートフォンなどにデータ送信もできますし、輸送経路の各地点にゲートウェイを設置し、エリアにデータロガーが入れば自動でデータ取得する事も可能です。
全国区での通信が可能なモバイル通信網(3G,4Gなど)を使う事により、輸送中どこからでもデータの取得、確認ができます。
低コストで且つ長距離通信を実現するIoT向けの通信規格LPWAを利用する事で広範囲に渡る輸送品質をモニタリングします。基地局を自営で構築するLoRaWANや、既に国内に通信網があるSigfoxなどがあります。
最後に
データ収集のタイミングは商品や環境によって様々です。加えて、航空輸送の場合はルールに則したデバイスが必要になり、海外輸送の場合は各国の電波法に準拠したデバイスを選ぶ必要があります。通信方式やセンサーは次々と新製品が開発されており、最新機器を利用することでより安価で使いやすいシステム構築が可能になって来ています。
カゴ車locaTorの主要機能

カゴ車locaTorとは?
カゴ車locaTorは、カゴ車やコンテナなどの大切な物流資産の位置情報を自動的に収集し管理するシステムです。今まで見えなかった物流機器の回転率の向上、紛失や滞留の抑止に役立つサービスです。

ネット環境とWEBブラウザがあればどこからでも利用が可能なクラウドアプリケーションです。今回の記事では、アプリケーションの主要機能をご紹介いたします。
最新位置情報ページ
最新マップ
保有デバイスの最新位置情報が確認できます。マップ上のピンが物流資産の位置を表し、ピンの色によって状態(平常、滞留、紛失)を確認する事ができます。
デバイスリスト
画面下部の各デバイス詳細リストはデバイス名やグループ毎のソート検索も可能です。カゴ車の現在の状態、デバイスの分類、電池残量などが一覧で確認できます。

地図のズームイン/アウトは自由自在に行えます。

移動履歴情報ページ
物流什器1つ1つの移動履歴を確認できます。最大100日までの移動履歴を確認することができ、何処で問題が起きたのか?今どこにあるのか?を確認いただけます。ピンの色の違いにより位置情報の取得手段(GPS,Wi-Fi,Sigfox)を判別することができます。

履歴情報はCSVデータとしてダウンロードが可能です。
ダッシュボード機能
物流什器の滞留や紛失の傾向、拠点毎の傾向比較など、物流効率化に利用できるデータやグラフを一覧できます。
ダッシュボード項目(例)
・アラートログ
・拠点別 滞在日数ランキング
・拠点別 滞留発生回数ランキング

当ソリューションは今まで見えなかった個別の商品の移動状況を自動で可視化するだけでなく、毎日の物流資産全体の移動データを分析することにより現場/経営の課題解決をサポートします。
