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物流IoT

 

物流システムの移り変わり

株式会社シーネット(以下シーネット)は会社設立以来四半世紀にわたり、倉庫管理システムの開発を一筋に行ってきました。1990年代はWMS(Warehouse Management System)という言葉さえまだ一般的でなく、企業の中では物流部門は日陰者の位置に甘んじていました。システム的にもパソコンが企業に普及しはじめ、従来のオフコンや汎用機がオープンシステムへと移行がようやくはじまった時期です。2000年代、インターネットが一般化し、携帯電話網が国内どこにいてもつながるのがあたりまえになります。

そして昨今ではスマートフォン上での顔認識、自動車の自動運転、ピッキングや梱包などロボットが作業を実行しはじめました。そんな中、物流の基本、商品が今どこにどのような状態にあるのかを可視化するツールとして有力なシステム基盤が登場しました。それがLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる技術です。

 

LPWAがなぜ物流向きか

LPWA(Low Power Wide Area)とは少ない電力で広範囲の通信が可能な通信技術です。これまでの物流システムは倉庫や配送センター内の商品の管理はバーコードやICタグを利用し、簡単で精度の高い仕組みづくりを実現しています。ところがこれらのツールはバーコードやICタグを読み取る装置が必ず必要です。逆に言えば読み取る装置がないと機能しないとも言えます。物流システムは製造メーカーから最終消費者までの間の物の流れをいかに効率化し無駄な在庫を持たないかということが目的です。したがってその流れのなかの特定のポイントのみを管理しただけでは不十分な事は誰が考えてもあたりまえのことです。ところがこの流れに関連する企業は多岐にわたり、時と場合によってはその経路も一定ではありません。

このサプライチェーン全体を通じて商品の場所と状態を管理するための究極のツールがLPWAといってもいいでしょう。

 

物流IoTとは何か?

製造メーカーから最終消費者までの間を異なる企業がサプライチェーンを構成しています。商品はコンテナ、パレット、カゴ車、各種専用容器を利用し、トラック、船、飛行機などの輸送機器を利用し、倉庫や配送センターで小分けしたり、加工を施したうえで消費者へと運ばれます。この全ての工程においてその場所と状態を正確にモニターし、問題があれば速やかにその問題点を解消し、無駄が無い効率的な物の流れを実現することが求められています。究極的には商品の配送中の状態をライブカメラで監視し、問題の有無を確認できればいいのですが、現実的ではありません。

そのかわりに商品の位置を把握し、状態(温度、湿度、加速度、傾斜、照度など)をモニターし、なおかつその情報を定期的に通信することができる機器を商品と一緒に運んでしまおうというのが物流IoTの基本的な考え方です。

 

モニターする項目

下記のようなセンサーを組み合わせて利用する事により、より詳細な状態をモニターすることも可能です。いずれにしても輸送する商品の状況を常にモニターすることがシステムの進歩により可能となり、問題発生時にアラームを出すだけでなく、問題の発生原因を特定することも可能となるため、物流の効率化品質向上に役立つことは間違いありません。

温度・湿度
生鮮品、食肉、薬品など温度管理が重要な商品はサプライチェーンのどこか1箇所で規定範囲外の温度になると、品質上の問題から商品としての価値をなくしてしまいます。このような商品は温度センサー付のデバイスを商品と一緒に運び、温度の変化を時系列にモニターすることが必要です。

加速度・傾斜
精密部品などは輸送途中の転倒、衝突などによる機器の損傷、精度の低下などが発生すると最終製品の歩留まりに悪影響を及ぼします。見た目だけでは判断できないこれらの事故を間違いなく捕捉することは製品の品質向上に貢献します。
 

 

照度
高額商品は輸送途中での盗難が心配です。一旦開封した場合、どの時点で開封したのかは照度センサーを利用する事により把握できます。海外との取引等介在する企業が多い場合、どこのポイントで事故が発生したのかを正確に把握できます。
 
 

GPS・WiFi
商品が今どこにあるかは取引企業の入出庫履歴を確認すれば把握できますが、今現在どこにあるか、どの経路を通ったのかということはGPSセンサーを利用し、把握することができます。屋内等GPSの測位ができない場所ではWiFiの位置検知も有効です。決められた場所以外の位置検知についてはLPWAのなかでも基地局を全国的に展開しているSigfoxが最適です。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

物流IoTのポイント

IoTは農業の効率化、機器のメンテナンス時期の正確な把握、老人や幼児の見守り、メーター検針の自動化、など様々な分野での活用が期待されています。その中でも物流向けIoTはサプライチェーンを通しての品質向上、効率化という効果が期待されていますが、運用面においては業種特有な要件もあります。その要件に対応するためのポイントを紹介します。

堅牢性


コンテナ・パレット・カゴ車といったものに取り付ける場合、積み込み時などの衝撃に耐える堅牢性が必要です。取り付け方法も多少のことでははずれない仕組みで設置することが大事です。

 

耐環境性


屋外や冷蔵庫での使用にも耐えられる温度、湿度への対応も必要です。当然のことながら屋外での利用には防水・防塵性能も重要となってきます。

 

メンテナンスフリー


1回の輸送についてのみモニターをしたい場合は利用の都度充電したりバッテリー交換を行う事が可能です。しかし、コンテナ、パレット、カゴ車など保管容器に機器を取り付ける場合は一旦倉庫を出たものがいつどこに戻ってくるか管理不能です。このような場合、数年間は充電やバッテリー交換が不要なシステムでないと実際上は運用できません。
できるだけ多くの状況をモニターしながら長期間メンテナンスフリーで利用するという相反する要求に対しての最適化を求めることが重要です。

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